《センシング・ストリームズ―不可視、不可聴》は、第18回文化庁メディア芸術祭アート部門で、優秀賞を受賞しました。
本作の東京バージョンが、国立新美術館で展示されます。
第18回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展
- 会期:2015年2月4日 (水) ~2月15日 (日)
- 会場:国立新美術館 (東京都港区六本木7-22-2) ※2月10日(火)休館
- 時間:10:00~18:00 (金曜は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
※シネマート六本木、スーパー・デラックス等でも上映、イベントが開催されます。開館時間、休館日は会場によって異なります。 - 入場料:無料
- 主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
- 公式サイト:http://j-mediaarts.jp/
プロジェクト概要
多彩な活動の中でも、環境に偏在するデータの音への変換を近年テーマのひとつとして探求する坂本龍一。CERN(欧州原子核研究機構)とのビジュアリゼーションプロジェクトなど最先端技術を駆使した実験的なものからPerfumeの演出サポートなどエンタテインメントにまでわたる幅広い活動で国内外の注目を集めるメディア・アーティスト真鍋大度(1976年生まれ)。
初のコラボレーション作品は、人間がふだん知覚することのできない「電磁波」をセンシングし可視・可聴化するものである。多くの人がもはや手放すことのできなくなったモバイル機器に代表されるよう、電磁波を利用するテクノロジーは人間の社会活動に深く関係しているが、この作品はその裏方ともいえる存在である電磁波に焦点を当てている。
モエレ沼会場では、明るい空間に設置された巨大な4KVIEIWNG®による自発光型 超高精細大型ビジョン(設置サイズ :幅7.2×高さ3.9m)とスピーカーによって、会場内に設置されたアンテナで収集する携帯電話、WiFi、地上波デジタル、FMラジオなどで使用されている80MHz〜5.2GHzの電磁波が、リアルタイムで可視・可聴化される。
加えて札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)で収録された電磁波の記録と対比することで、場所と時間によって電磁波に顕著な差異があることが示されている。ビジョンの手前に置かれたダイヤル型インターフェイスで周波数を変更することで、体験者はさまざまな形の電磁波が同時に存在していることを目にすることになる。さらに、会場内に居合わせた人が持っている携帯電話や、スマートホンなどを操作することにより電磁波が空間へ活発に放射され、映像や音がダイナミックに変化しつづける。
この作品は、現代において必要不可欠なインフラでありながらふだん気づくことのない電磁波の流れを多様なかたちで顕在化する。と同時に、放送局やキャリアに割り当てられた周波数帯—見えない領土分布—に縛られながら、各人が能動的に関わることで形成される一種の「生態系」を可視化する。
チ・カ・ホ会場では、作品の映像アーカイブそして会期前に現場でデータを取得したアンテナを展示する。
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「4KVIEWING × 札幌国際芸術祭2014 」(YouTubeチャンネル「Sony PCL Creation」)
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